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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

四

とにかくその男はまだこの動物園の中にいることは確かです。この動物園の入口から左手へ行ったところに、ちょうど猿の檻と並んで、鷲や鷹などのはいっている檻があるでしょう。あの檻のうしろへ、その男がかくれるとこを僕は見届けてあるんです。で真夜中の十二時過ぎになると、奴はきっと出かけてきますよ。僕がすっかり教えといたですからね。そして、先程あなたがかくれていた橋の下へはいってゆくにきまっているのです。実を言うと僕はさっきあなたをその男と間違えてあんな失礼な真似をしてしまったのです。なあにあのピストルは玩具のピストルですよ。今朝銀座の玩具屋で十銭で買ってきたのです」

男はちょっと言葉をきって薄明かりにすかして腕時計を見た。

「もう十二時をまわりましたから、今にやってきますよ。だまって見ていましょう」

妙な時刻に妙な場所で知り合いになった私たち二人は熊笹の中に身体をかくして、息をころして待っていた。丹頂は眠っていると見えてばさりとも音をたてないが、遠くの方からは、いろいろな動物の啼き声が間断なく聞こえてくる。

四

「とうとうやってきましたよ」しばらくすると男は私の肩を叩いて、低声で私の耳に私語いた。