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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

「間もなくでした。そうですね……五分位だったと思います」

「君が出てくるとき二人は別にいさかいをしていたわけじゃないのだね」

「はやく一しょになってくれ……もう少しまてというような話らしかったですが、いさかいの起こりそうな様子は見えませんでした。それどころか、抱きついたり、接吻をしたりして、一分間でも長く別れとうもないような風で見ている私の方がよっぽど間が悪くなりました」

「出たときの男の様子は何かそわそわして急いでいたというが……」

「はあ、乙君はそういいましたが、私はそこまでは気がつきませんでした」

「ふん、それから君たちが誰何すると走って逃げだしたというんだね?」

「そうであります」

「その男の姿を見失ったのはどの辺だ?」

「何しろ二三十歩離れていましたし、月がちょうど雲にかくれていた時で、それに、あの男が、こんな大それたことをしようとはあの時は夢にも思わなかったものですから、はっきりとはおぼえていませんが、五条を少し下った辺だったことはたしかです」

「それから二人で、十分さがしたろうね」

「はあ、よっぽど念入りにさがしましたが、とうとう取り逃がしてしまいました」