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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

きっといくらか顔も赤くなったかも知れませんわ。

でもその時はそれっきりだったんです。ところが、運命とでもいうのでしょうね。妾は、食事がすむとちょっと博士に挨拶して、すぐ帰るつもりで下へ降りて、携帯品預所へコートを受けとりに行ったのです。すると、あの人が妾より一歩先へ来てちょうど札を出しているところじゃありませんか。

「もうお帰りですか」

あの人は妾の顔を見るとこう言いました。食堂ですぐ前に顔を向きあわせていたので、何か言わなければいけないと思ったのでしょう。あとでほんとうにそうだと言っていました。

妾も二時間あまり石のようにだまっていたので、何か話したくて話したくてしょうがなかった折柄なので、ついあの人を相手にいろいろおしゃべりをしました。がんらい妾はおしゃべりの方で、二時間もだまっていると、憂鬱になってくるたちなのです。

外へ出ても妾は話しつづけていました。あの人は妾が話しかけるもんだから、仕方なしに妾についてきました。そのうちにあの人もぼつぼつ話し出しました。

「帰朝歓迎会なんていうものくらい下らんものはありませんね。あの場ではみんなが心にもなくほめちぎっておいて、帰り途にはみんな悪口を言ってるんですよ。