Japanische Klassiker mit Furigana
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme
第二場
かっきり十分です。
仮面の男は、四人の女にピストルを向けたまま後退りして、正面の樹陰へかくれる。夫人たちは、ふるえながら、手をあげたままである。
第二場
広間の入口の廊下。扉はしまっている。七八人の男女の客が前をぶらぶら歩いたり、話したりしている。そこへ仮面の男が息を切らして駆けてくる。そのあとから二人の探偵が追っかけてくる。皆の者は驚いて、四方にとび散りながら、眼を瞠って闖入者を見る。仮面の男は扉の前でばったりたおれる。
芦田――とうとう追いついた。
牧――(芦田と二人で仮面の男をしっかりおさえながら)いよいよこれで君も運のつきだ。さあ神妙に手を出せ。(手錠をはめる)
仮面の男――(息を切らしながら)ま、まちがいです。ひ、人ちがいです。私は……
芦田――今になって、つべこべ余計なことを言うな。もう少し最後を男らしくしたらどうだ。
仮面の男――ち、ちがいます。私は青木です。健作です。うちの主人です。
牧――なに? 青木健作だ? うちの主人だ?
物音をきいて扉を開いて多勢の客が四方からのぞきこむ。
芦田――牧君、この男の仮面をぬがしてくれたまえ。
牧仮面をとる。