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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

第三幕

第一場

芦田――(憮然として)何ともお気の毒ですが、仕方がありません。

――幕

第三幕 第一場

幕あくと舞台は真っ暗である。ややあって、徐々に神秘的に明るくなる。富豪の居間。十年前の出来事。贅沢な火鉢をはさんで、ある富豪と、二十五六歳の見すぼらしい一人の青年とが対座している。青年は十年前の東山である。

ある富豪――(五十歳位)とにかく、君のように学校を出て二年にもなるのに、まだ、つとめ口もなくて、遊んでいるようなことでは、娘をやるわけにはいかん。

東山――僕は何もすきで遊んでいるわけじゃありません。戦後の反動で、去年から今年へかけての不景気は、あなたもよくご存じのことと思います。一しょに学校を出た三百人あまりの同窓生の中で、職にありついた者はまだ四十人たらずというようなわけで……

ある富豪――だから君も、のらくら遊んでいていいと言うのか?

東山――そういうわけじゃありませんが、雇ってくれる人がなければ仕方がありません。しかし、そのうちに僕はきっと……

ある富豪――馬鹿! 誰が君のような貧乏書生に頭を低げて頼みにくる奴があるか、君の方で、つてを頼って、せっせと足まめに運動しなくちゃ、今時職を求める人間は掃く程あるのだ。