Japanische Klassiker mit Furigana
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme
何しろ、君のような、なまけ者の甲斐性なしに娘をくれるわけにはゆかんから、もう帰ってくれ!
東山――あなたの仰言る事はよく判ります。だが文枝さんと僕とは愛しあっているのです。僕が現在職にもありつかずに、貧乏しているのは、それは重々あやまります。現在のところ、僕は人並みの家庭をもつことはできません。しかし今年じゅうには、僕は石にかじりついても何とか生活の道をたてます。それまで、もう二月です。二月だけ待って下さい。
ある富豪――もう君の泣き言は聞きあきた。二年ものらくら遊び暮らしていた上で、あと二月でどうかするって、口幅ったいことを言わずとはやく帰ってくれ。
東山――では、こんなに申し上げても……
ある富豪――そうだ、何と言ってももう君にはとりあわぬ。
東山――父がきめてくれた許嫁の約束も、僕が貧乏だからというので反古になるんですね?
ある富豪――それがどうしたのだ?
東山――文枝さんはこのことを知っているんですか?
ある富豪――もちろんだ。君のような貧乏人のところへ、誰がすき好んでゆく奴があるか。
東山――そうですか、わかりました。では、ちょっと文枝さんに一目だけあわして下さい。