Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

五

近所の貸布団屋から夜具を一組お借りになったようですが、それにはこないだ亡くなられたご病人が、おやすみになってらしったようですから、あの方はこの寒いのに夜具なしで、暮らしてらしったにちがいないのですよ。まさかあの重病人と一緒におやすみになるわけには、いきませんでしょうからね」

私はこの話をきいて、玉村という男はきっと晩にはこの家にとまったのではないに相違ない、この重病人をたった一人空家同然の家に寝かしておいて自分はどこかへ泊まりに行ったに相違ないと考えた。これは実に言語道断なことだが、この寒いのに一週間も夜具なしで暮らすということよりも、その方が合理的だと私は考えたのだ。

五

私は玉村の貸屋を中心として、その近所のタクシー屋を片っ端から探しはじめた。そして、二日かかって二十七軒目のタクシー屋で、やっと、問題の日に、頬から頤へかけて立派な髯の生えた、トランクを一つもった男を、件の番地からのせて行ったという運転手を発見した。

運転手は、私を警察の者とでも思ったのか、非常に恐縮して言った。

「何か間違いでも御座いましたか?」

「なあに、間違いという程ではないんだが、ちょっと行方をさがしてるんだから、知っているなら、すっかり話して貰いたい」