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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

馬も日に何升かの馬糧は食うが、これを田に使えば、人以上に耕し、これに担わせれば、汗して荷駄の役をつとめる。……その貴重なるものへ、山荘の一閑人が、鞍をかけて、悠々、労さず道をあるくとはまことに、申しわけないことだ。……馬もし霊智あれば、田畑に働く領民を見よといって、わしのごとき無用人は、背からふり落してしまうであろうに」

「恐れ入りました。そういう思し召でございましたか」

「振落されるのは嫌じゃから、あらかじめ、馬のごきげんを取って乗る。しかし、傍人に怪訝られるほど、それが目立つとすればわしにも到らぬ点がある。以後は気をつけよう」

「ついでに、もう一つ、伺いますが。……きょう畑で麦踏みをなされながら大声で……麦踏め麦踏め芽を踏め芽を踏めと仰っしゃっていたようですが、あれはいかなる御意でしょうか」

「それもすこしそちの勘ちがいであろう。そう申した覚えはない。……ただ、ようやく雪をしのいで青々と伸びかけた麦の芽を、むざと踏む業の傷ましく思われたので、この芽を踏むのも、やがて根に力を蓄えさすためであり、麦の結実を豊かにするためであるぞと、心に弁えを正してやっていたゆえ、つい、芽は踏め芽は踏め、根は張れ根は張れと、声になって口から出てしまったものじゃろう」