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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

――光圀が、朝廷へ対し奉っての真心は、そのまま宗家にたいする忠節ともいえよう。なぜならば、朝廷あっての将軍家ではないか、臣職ではないか。――いや、さすがに、あれは見どころがある)

と、まったく、常には聞かない賞め方で、

(よしやそのため、水戸一藩が破滅に遭遇するならば、これは世の中の間違い事と申すもの、光圀の思慮がわるいのでは決してない。――そもそも、あれがまだ十歳かそこらの頃ですら、戦場でもし父が斃れたら如何にするかと聞いた時、父上の屍を踏みこえて敵へ当りますと答えたほどの男の子じゃ。生い育って、青年十八、わが藩の一つやそこら、潰しかねない考えを起したのもふしぎではない。お身達、学問の先輩として、よくあれを扶けて、相談あいてになってやってくれい。たのむぞ)

ふたりは、ひたと、両手をつかえて、何か急に面もあげられない気もちであった。

この親にして、あのお子があったか――初めて大きな実訓をうけたのだった。剛愎、そんなことばではいいきれない頼房の胸の寛さであった。

しかも実に明らかな達見がそのうちにある。光圀のいったところと、頼房のことばとは、まったく一であった。