Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

そのことにつき、何かご隠居さまのお智慧なりお力でも拝借したい考えでいたのではないかと察しられますが」

「む。おととい、城下へ出た折、そのようなうわさを、わしもちらりと小耳にはさんだが、べつに急いだことでもなかろうと考えて帰したがの……」

「それが実はひどくさし迫っている事らしゅうございます」

「聞いてやればよかったの」

「いずれまた、日をあらためてお願いに参りましょう」

ふと、老公のひとみに、気がかりらしいものが浮いた。

おととい城下の菓子屋のあるじが、お蕗のことをいろいろうわさしていたが、あのことばのなかに、なにか思いあたるものがあるらしかった。

そのまに、酒や膳は引かれて、若ざむらいたちのまえには、一個ずつのまんじゅうが配られていた。

まんじゅうは、紙につつんで、持帰ろうとするもあり、その場で喰べているものもある。

老公は、茶をのみながら、まんじゅうを割っていた。

座談は、茶となってからのほうが、まじめに弾んで、夜は更けるばかりだったが、たれもまだ帰ろうといい出すものはなかった。

そこへ、思わぬ出来事が起った。あわただしい声は、山荘の門をたたいて、ここの平和と陶酔を愕かせた。