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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

幸いなことには、浪人者の腕がにぶい。為が蹴とばしたので、その上へふりかぶった刀まで取り落して、横仆れに、腰をついた。

「素ッ首を」

「なにを」

格闘が始まった。

しかし、そうなったところで、幾ぶんでも柔術なり竹刀の下地がある浪人者に、及ばなくなったのは当りまえであった。

「やあいっ、誰かっ、助けてくれえっ」

ついに為は、ありったけな悲鳴を出して、浪人者の下にもがいていた。

すると、その浪人者が、またかれの体のうえから見事にひッくり返った。遠くで見ていた者が笑いだした。

為の連れの者の勘太が、ひっ返して来て、うしろへ近づいていたのも知らず、浪人者は、安んじて、得々と自己の偉力を誇っていたところだったからである。

「為さん、さきへ帰んな。おれがひきうけた」

勘太が立ちむかうと、まるで闘いはちがって来た。浪人者のほうが、手玉にとられて、かかッても、かかッても、気味よく叩きつけられてしまうのであった。

「おぼえておれ」

どこかでまた、ひとが笑った。浪人者は、その笑い声にすら脅やかされて、くるくる舞いしながら逃げ出した。

「やあい、これは、置いてゆくのか」

勘太は、浪人者の落して行った刀を、街道のほうへ、抛ってやった。