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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、為をうながして、

「さあ、行こうよ。大事な仕事の終るまでは、土地の者などと喧嘩しちゃあ、佐々さんに悪い」

河原に添って、歩き出した。

為は、彼の顔を見ていた。夕星と水明りのせいか、きょうに限っていつも小馬鹿にしているもや助とは見えなかった。

「勘太。おめえは、途方もなく強いんだな」

「よせやい。あいてが弱すぎるんだよ。おれの故郷には、船頭や物売りの中にだって、あんなのは歯も立たない腕っぷしのが、幾らだっているさ」

「そういえば、いったいおめえの故郷は、どこなのか」

「東のほうだよ」

「東の方だって、広いじゃねえか」

「箱根のむこうさ」

「へんにかくすなあ」

「おう、もう来たぜ、門前町へ。こん夜は広厳寺で、おれたちを振舞ってくれるってな」

門前町といっても四、五十戸にすぎない部落である。広厳寺がその中心をなしている。

職人たちは、そこここの百姓家へ泊っているのであった。ふたりも農家の一軒へはいって、湯を浴びたり、汗くさい仕事着をぬいで、素袷となったが、こん夜は寺に振舞いがあるというので、晩飯は喰べずに、やがてぶらぶら寺内へ出かけた。

「……あ。どっちの木も、しっかり根がついてら。