Japanische Klassiker mit Furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme
二
「……頭が痛くなった」
終日、隣り合って、黙々と、唖の行をまもり通して働いていた石権や職人たちは、はや手もとも暗くなったので、仕事をしまいながら呟いた。
寒さも夜も忘れはてて、小屋のあたりでは、焚火をし、小屋の中では、大きな蝋燭をいっぱいつけて熱していた。
すると突然。そこの蝋燭の灯が大勢のあたまの上に火襷を描いて飛び合った。
「――な、なにしやがるっ」
「野郎っ」
わけがわからない。
総立ちになって、そこにいる人間が全部、小桶のそこの泥鰌みたいに、足を揃え、頤をつかみ、ものすごい喧嘩をしはじめた。
二
こういう仲間の喧嘩ばかりは、いきさつも心理も局外者にはよく分るところでない。
泥鰌の格闘は、小屋の中だけかと思っていると、いつのまにか裏手のほうでもやっているし、横のほうでもやっている。
「こいつあ、おもしろい」
石権や職人たちは、帰りかけたところだったが、高見の見物とながめていた。
為は勘太にいった。
「わかった。この喧嘩は、おととい連れ立って来た、生田の万と、花隈の熊と、あのふたりの喧嘩だぞ」
「そうかな」
「そうだとも、両方でわめき合っているいい分で知れるじゃあねえか。