Japanische Klassiker mit Furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme
寵臣
……まったく、そのむかっ腹がした出来心でございます」
「なに、お国表の老公が、ご発狂なされたと、町はうわさしていたか」
「嘘か、ほんとか、何しても、聞き捨てにならないことと、その男が、銭湯を出たあとをつけて、呼びとめたのが、まちがいの因でした。つい、堪忍をやぶっちまって。……ああ、まだいけねえ。だめです。これから自首して、もし遠島か牢舎ぐらいで、生命がありましたら、もう一ぺん生れ直します。どうかごきげんよう」
勘太は何べんも頭を下げ、また何べんも介三郎のすがたを仰いでいた。
夜が明けては――と気が急くのであろう、介三郎は少しでも留めておきたかったが、いればいるほど、未練になるのを、勘太自身怖れているらしく、やがて、振り切るように立ち去ってしまった。
寵臣
一
呉服橋内に約七千坪ぐらいな地域を擁しているやしきがある。
柳沢吉保の邸であった。
ふつうの諸侯のそれよりは倍も広い。もっともここも以前は水野、松平の二家にわかれていたのを、吉保が住むようになってからひとつに併せてしまったのである。
「いちどは、こうしたやしきの主になって、数寄を凝らしてみたいものだが」