Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

「お年はたしか、二十歳か、もうお一つぐらいで――」

と、いうことから、

「お名は、蕗さまと仰っしゃいます。もうご婚期でございますが、嫁いでは、母御さまがさびしかろうと、ご孝養なすっていらっしゃるようで」

などと立ち入って語り、その弾みでつい、老公の問いもせぬ世間ばなしにまで渡ってしまった。

「なんでも、ひと様の申しますには、あのおきりょうだし、また女子のたしなみはもとより、薙刀小太刀まで修めているという才媛だから、縁談などは数々あっていいわけだが、それをああしているには、ご孝養のためばかりでなく、ほかに事情があるからだと――こういう人もございまする」

「あろうな。……あってよいわけじゃろ。むなしく佳人に孤愁を抱かせておくはずもない。家中の若いものどもがな」

老公も気散じに相づちを打つ。――が、主の口吻のうらには、どことなく義憤めいたものがあった。

「それなら分っておりますが、事情というのは、そんな浮いたはなしではございません。どうやら、心にもなく、さるお方の義理にひかれて、江戸へ行くことになるだろうとかいうおうわさで」

「嫁にか」

「さ。それがどうも、そうでもないらしいので」