Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

「まだ、お赤飯は喰べていないだろ。飲んでばかりいて」

「おりません」

「おや、いやだね、この人は、急にお辞儀などをして」

「おふくろみたいにといったが、思えば、おふくろも及ばぬご親切。申しわけない」

「まだ酔ってるのかい」

「ははは。だから早く水をください、それから、赤飯にとりかかる」

「いま喰べるなら、お湯を沸かして、お茶でも入れてあげよう」

「葉茶がありますか」

「ないだろうね。……ええ面倒だから、もう一走り行って、お湯もお茶も、家から持って来させよう」

「では、その間に、顔を洗おう」

「そうおし、そうおし」

おかみさんは、体の巨きなわりにまめだった。路地を出て、またすぐ路地のどぶを鳴らして来る。

「又さん、顔をお洗いかい」

「台所の桶も煎餅みたいに乾いてしまった。タガの外れた桶では水も汲まれない」

「何から何まで、独り者って、しようのない者だね」

おかみさんは、壊れた桶をそっと井戸端まで持って行った。やがて、冷たい水手拭をしぼって来ると、又さんの頭を抑えて、その顔をうしろから子どものようにぐるぐる拭いてやった。

二

それから、膳を出して、魚松のおかみさんは、お重の赤飯と煮しめを置く。