Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme
五
と称しているゆえんである。
いわゆる奸臣の閥にも、正義をたてとする血気な一部にも、また、いかだ組にも、老公は真実、心の奥で、
「……困ったもの」
と、思っていた。
けれど、憎いやつ、不埒な臣下どもとは、思えなかった。
ひとり罪をおのれに帰しているばかりでなく、彼の眼から見てはまったく、どれもこれも、短所があれば短所なりに、悪心があれば悪心があるなりに、可愛い者たちであったのである。
「――この日の本に生れたありがたさもわからねば、この国土に報じて、一瞬のいのちを、無窮に生かそうとする――長命の法も、さとらぬ憐れなもの、不愍な者……」
事実、そう考えるのであった。何十年来、藩にかかえておいた家臣は、身を退いても、ただ家来、ただ君臣ではなくなっていた。
老公は、大ぜいの子をもった、父という気もちになっていた。
いわんや、その子のうちでも変り者の、人見又四郎という棒のごときは、眼に入れたいほど可愛かったにちがいない。
五
そのうちに下婢が湯漬の膳をはこんでくる。
悦之進、林助も席にもどって、老公へ給仕する。
膳のうえは。
梅ぼし一ツ、蕗味噌、それに一椀の汁、一皿の干魚。