Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme
一年じゅう薬を刻んでいるのである。お女中でも台所人でも老臣でも若い者でも、手があいている折は、任意にそこへはいって、薬草を刻む。
掟ではない。たった一度、老公からそういわれただけである。ところが、この薬研の薬きざみは、なかなかおもしろいものらしい。
「てまえにも、やらせていただきたいもので」
台所の庖丁人まで、ひまができると、ぬれ手をふいてやりに来る。
ある時、老公もここにあらわれて、居あわせた人々へ、
「みなよくやるのう。いったい何がおもしろくて精が出るか」
と、たずねてみたところ、その答えが、各※(二の字点、1-2-22)の年齢や職によってまちまちだったので、興がられたことがある。
まず、お書物方の鹿野文八がいうには。
「他念なく、薬きざみをしておりますと、思索がまとまって、日ごろ書物のうえで、疑念をいだいていたことも、書物から離れきったこんなあいだに、ふと、ははあ……そうだったのかと、ひとりでに解けて来たりなどいたします。ですから、薬研もまた、尊い辞書だといえましょうか」
その次に、お徒士の太田九蔵がいう。
「この頃、渡辺悦之進どのについて、すこし槍術の稽古をしていただいています。