Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「あなた……だれか、家をねらってるのよ……ど、どうしましょうか? 金ダライでもたたいて、さわぎましょうか? それとも吉蔵を起してくださる……?」
「ま、ちょっと待ってごらん! へたに騒ぎだすと、にげてしまうから、……うむ! たしかに人だ! ……」
博士は手ばやく帯をしめなおして、暗いなかにたちあがりました。トロトロしていたので、たしかな時間はわかりませんが、おそらくは草木も眠るといわれる、丑満時だったでしょう。
この真夜中に、人の家の庭にしのびこんで、部屋のまわりをうろつくとは、もうふつうではありません。遺恨のあるものか、強盗か、いずれはそんなたぐいだったでしょう。さすがの博士も気味が悪くて、なんともいえぬ緊張をおぼえました。
「ようし! 頼子、おまえここにじっとしておいで、……ちょっといってみてくる」
「あぶないわ。あなた、やめてよ! 相手がどんな人間だか、わかりませんもの……それよりおねがいですから、早く吉蔵たちを起してちょうだいよ……」
「いいや、大丈夫だ。どんな人間か、ちょっとみてくるだけだ。そのようすでは、すぐみんなを起す……」
すばやく寝室をでると、博士は、長い廊下のほうへはいかず、寝室をでたすぐ右側のかどにあるふだんはつかったこともない、しめきって、ふとい心張棒をかった、重い杉の板戸のまえに立ちまし