Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「ああ待ってくれ、靖彦君……いまひょっと思いだしたことがある。あ、そうだった。そうだった。あの了福寺の和尚だった……」
と、膝をたたかれました。
「靖彦君……きみの話の腰をおるようですまんが、どうだい? ここから半道ばかり奥に、了福寺という寺があるんだが、いまからぼくといっしょにそこまで、いってくれないかね?」
「なぜ、そんなところへいくんです?」
「きみたちがまだ東京にいる時分のことだが、そこの和尚がいちど、なにかのついでに、ぼくに、あの屋敷をね――いまきみたちのすんでいる家さ――あの家をおしがらずに、ひとおもいにこわしてしまえ! と忠告してくれたことがあるんだよ。
いまそれを思いだしたんだ。そのときは、坊主め何をくだらんことをいう! と思って、気にもとめずにききながしていたんだ。いまきみの話をきいているうちに、家をこわせといった和尚の話に何か関係があるように思われてきたんだよ。なぜあの家をこわせといったのか? そのわけを、きみとこれから和尚のところへいって、きいてみたいんだよ」
正直なところ、博士はあまり気がすすみませんでした。むかしの化けもの話ではあるまいし、そんな年をとった田舎寺の坊主のいったことばなどを気にして、きいてみたところで、なんの役にたつわけでもないし! と思っていられたのです。