Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
曲者の正体
「ようし、わかった! たしかにその曲者じゃ! わしに斬られたはらいせに、おのれ! 獣のぶんざいをもって、よくもよくも隠居所にしのびこんで、たいせつな母上に危害をあたえおったな、おのれ憎くき曲者め!」
と歯ぎしりして目を怒らせて無念の形相です。
曲者の正体
「して、そ、それからどうしたのじゃ?」
「残念ながら、わたくしの見ききいたしましたのはそれだけでございます。あまりの恐ろしさに、ガクガクと歯の根もあわずふるえながら立っておりましたが、ちょうどそのおりでございました。さらし布をもっておりました黒装束が、鼻をピクピクさせまして、
『おかしいぞ! どこからか人のにおいがしてくるぞ』
と申しました。
南無三! みつかったか? と、もうわたくしは、魂も身にそいませんでふるえておりましたが、ありがたいことにはもうひとりの黒装束が、
『何をバカばかりいってるのだ! この真夜中におきてるやつがあるものか! 女中どもも仲間もさっきわしが、ちゃんと眠らしてきてるのに、人のにおいがしてたまるものか! ほら早く、布をまかなくちゃお頭がうなっていらっしゃるじゃないか! お頭、もうしばらくの辛棒でございますから』