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Japanische Klassiker mit Furigana

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おうしゅうきこう

欧洲紀行

横光 利一

Lesen Sie 欧洲紀行 (おうしゅうきこう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.107 Zeichen · 241 Bildschirme

Aozora Bunko

ハンガリア行

絵はピカソやマチスをみたが、どれも売れないらしく画商はどんどんつぶれて行く。しかしピカソの絵は写真でみるよりはるかによい。このごろやっと街を歩いてもピントがあって来て、人の歩く影まで眼につくようになり写生が出来るようになって来た。困るのは何といっても食事だ。お腹が空いて一寸ホークを持つと、もう食べる気が起らない。そのままたべないとすぐ空腹になる。コーヒーばかりものんでいられないという調子で頼りない。

朝起きて今日は起きてから何処へ行こうかと考えると格別どこへも行くところがないのでうんざりする。お昼の御馳走を何にしようかと君が毎日考えるのを思い出す。いやなこと、さぞいやなことだろうとこんなところで同情するようになる。

色々の所の日本人が招待して呉れるけれども知らぬ人と食事をするのは、身体に膏薬を貼られているようで、そう無雑作に身体は動かない。

もう日本の桜も散っただろう。

ハンガリア行

パリーの大罷業はパリー始って以来の最初の出来事である。この罷業はマロニエの花が散り、アカシアの花が雨に浮き流れて、街路の敷石にたまるころから急激に進行した。朝眼を醒し、何が最初に聞えて来るかと、枕に頭をつけたまま、うとうとしていると、フロン・ポピュレール(人民戦線)と叫ぶ声が、いつの朝でも、先ず聞えた。