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Japanische Klassiker mit Furigana

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こはんていじけん

湖畔亭事件

江戸川 乱歩

Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、神経衰弱が少しずつよくなるにつれて、私はやっぱり雑沓の子でありました。その寂しい山奥の生活に、やがて耐え難くなって来たのです。湖畔亭は、その名の示す如く、遊覧客の旅館であると同時に、附近の町や村から、日帰りで遊びに来る人々のためには、料亭をも兼ているのでした。そして、客の望みによっては、程近き麓の町から、売女の類を招いて、周囲の風物にふさわしからぬ、馬鹿騒ぎを演じることも出来るのです。淋しいままに、私は二三度、そんな遊びもやって見ました。しかし、その様ななまぬるい刺戟が、どうして私を満足させてくれましょう。又しても山、又してもみずうみ、多くの日は、ヒッソリと静まり返った旅館の部屋部屋、そして時たま聞えるものは、田舎芸妓の調子はずれの三味線の音ばかりです。しかしながら、そうかといって、都の家に帰ったところで、何の面白い事がある訳でなく、それに、予定の滞在日数は、まだまだ先が長いのでした。そこで困じはてた私は、先にも一寸書いた様に、例の覗き眼鏡の遊戯を、ふと思いうかべることになったのです。

私がそれを考えついた、一つの動機は、私の部屋が好都合な位置にあったことでありました。