Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こはんていじけん

湖畔亭事件

江戸川 乱歩

Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうですか、何かいいましたか、あの男」

河野は、三造と聞くと非常に興味を覚えたらしく、熱心に聞き返しました。

「どうも曖昧でよく分らないのですが」

そこで私は、態と河野に関する部分だけ省いて、三造との問答のあらましを繰返しました。

「あいつおかしいですね。飛んだ食わせ者かも知れない。うっかり信用出来ませんよ」河野がいうのです。「ところで、例の財布ですがね。持主が分りました。ここの家の主人のでした。四五日前に紛失して、探していた所だということです。どこでなくなったのか、残念なことには、それをまるで覚えないそうですが、兎も角、女中や番頭などに聞いて見ても、主人の物には相違ない様です」

「じゃ、それをゆうべの奴が盗んでいた訳ですね」

「まあそうでしょうね」

「そうして、それがあのトランクの男と同一人物なのでしょうか」

「サア、もしそうだとすると、一度逃げ出したあの男が、なぜゆうべここへ立戻ったか、……どうしてそんな必要があったのか、まるで分らなくなりますね」

そうして、私達は又、暫く議論を戦わしたことですが、事件は、一つの発見がある毎に、却てますます複雑に、不可解になって行くばかりで、少しも解決の曙光は見えないのでありました。