Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

三

それがなんといたしたのだ」

「ここに一つの手柄をきっと立てますゆえ、お館の家来の端になりと、お加えなされてくださりませ」

「ふウ――どういう手柄を立てて見せるな」

「この三箱の黄金をかれにわたさずして、まんまと、武田伊那丸を龍巻の手よりうばい取ってごらんに入れますが」

「ぬからぬことをもうすやつだ。して、その策は?」

「わが君、お耳を……」

小幡民部の民蔵が、なにをささやいたものか、梅雪はたちまち慾ぶかいその相好をくずして、かれのねがいを聞きとどけた。そして、えらびだした武士二、三人に、密命をふくませ、そこからいずこともなく放してやると自身はふたたび、民蔵を行列の先頭にして、闇夜の街道を、しずしずと進んでいった。

三

まもなく着いた、阿古屋の松原。

梅雪入道は鞍からおりて、海神の社に床几をひかえた。

と――やがて約束の亥の刻ごろ、浜辺のほうから、百鬼夜行、八幡船の黒々とした一列が、松明ももたずに、シトシトと足音そろえて、ここへさしてくる。

「民蔵、民蔵」

と鳥居まえで、合図をしたのは龍巻にちがいなかった。民蔵は梅雪のそばをすりぬけて、そこへかけていった。

「お頭ですか」