Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「む、いいつけた使いの首尾はどうだった」

「こちらは、殿さまごじしんで、早くからきて、あれに待っています。そして伊那丸は?」

「ふんじばってつれてきた、じゃおれは、梅雪とかけあいをつけるから、きさまが縄尻を持っていろ。なかなか童のくせに強力だから、ゆだんをして逃がすなよ」

龍巻は二、三十人の手下をつれて、梅雪のいる拝殿の前へおしていった。

縄尻をうけた民蔵は、

「やいッ、歩かねえか」わざと声をあららげて、伊那丸の背中をつく。――その心のうちでは、手をあわせている小幡民部であった。

しばらくのあいだ、龍巻と談合していた梅雪は、伊那丸の面体を、しかと見さだめたうえで、約束の褒美をわたそうといった。龍巻も心得て、うしろへ怒鳴った。

「民蔵、その童をここへひいてこい」

「へい」

民蔵は縄目にかけた伊那丸を、梅雪入道の前へひきすえた。拝殿の上から、とくと、見届けた梅雪は、大きくうなずいて、

「でかしおッた。武田伊那丸にそういない」

その時、むッくり首をあげた伊那丸は、穴山のすがたを、かッとにらみつけて、血を吐くような声でいった。

「人でなしの梅雪入道!」

「な、なにッ」

「お祖父さま(信玄)の時代より、武田家の禄を食みながら、徳川軍へ内通したばかりか、甲府攻めの手引きして、主家にあだなした犬侍。