Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「やア……やア……やア奇態だ」

なにもかも忘れはてたようすである。あおむいたまま、いつまでも棒立ちになっている竹童の顔へ、上の梢からバラバラと松の皮がこぼれ落ちてきたが、かれは、それをはらうことすらも忘れている。

そも、竹童の目は、なんに吸いつけられているのかと見れば、じっさい、おどろくべき怪物――といってもよい大うわばみが、鞍馬山にはめずらしい大鷲を、翼の上から十重二十重にグルグル巻きしめ、その首と首だけが、そうほうまっ赤な口から火焔をふきあって、ジッとにらみあっているのだ。まさに龍攘虎搏よりものすごい決闘の最中。

「や……おもしろいな。おもしろいな。どっちが勝つだろう」

竹童おどろきもせず、口アングリ開いて見ていることややしばし、たちまち、鼓膜をつんざくような大鷲の絶鳴とともに、大蛇に巻きしめられていた双の翼がバサッとひろがったせつな、あたりいちめん、嵐に吹きちる紅葉のくれないを見せ、寸断されたうわばみの死骸が、バラバラになって大地へ落ちてきた。

それを見るや否や、雲を霞と、僧正谷へとんで帰った竹童。果心居士の荘園へかけこむがはやいか、めずらしい今の話を告げるつもりで、