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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

猪子伴作は伊那丸のほうへいってくれ」

「おお承知した」

天野刑部の声にこたえた伴作は、笹穂の槍をヒラリと返して、一ぽうへ加勢にむかった。ところへ、いっさんにかけだしてきたのは伊那丸と咲耶子、そうほうバッタリと出会いながら、ものをいわず七、八合槍と太刀の秘術をくらべて斬りむすんだが、たちまち、うしろから足助主水正、その他の郎党が嵐のような勢いで殺到した。

あなたでは民部の苦戦、ここでは伊那丸と咲耶子が、腹背の敵にはさみ討ちとされている。二ヵ所の狂瀾はすさまじい旋風のごとく、たばしる血汐、丁々ときらめく刃、目も開けられない修羅の血戦。

三つの命は刻々とせまった。

そのころから、秀麗な富士の山肌に、一抹の墨がなすられてきた、――と見るまに、黒雲の帯はむくむくとはてなくひろがり、やがて風さえ生じて、澄みわたっていた空いちめんにさわがしい色を呈してきた。

雲団々、陽はたちまち暗く、たちまち、ぱッと明るく、明暗たちどころにかわる空の変化はいちいち下界にもうつって、修羅のさけびをあげている湖畔の渦は、しんに凄愴、極致の壮絶、なんといいあらわすべきことばもない。

おりしもあれ!