Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「アアおもしろかったなア、あんな気持のいい思いをしたのは生まれてはじめてだ。お師匠さまは意地悪だから、なかなか飛走の術なんか教えてくれないけれど、おいらにクロという飛行自在な友だちができたから、もう飛走の術なんかいらないや。それにしても今夜はクロはどうしているだろう……天狗の腰掛松につないできたんだけれど、あそこでおとなしく寝ているかしら、きっとおいらの顔を見たがって啼いてるだろうナ。アアもう一ど、クロの背なかへ乗ってどこかへ遊びにゆきたい……」

「竹童竹童」となりの部屋で果心居士の声がする。

「ハイ」

「ハイじゃあない、なにをこの夜中にブツブツ寝言をいっている。なぜ早く寝ないか」

「ハイ」

竹童はそら鼾をかきだしたが、心はなかなか休まらないで、いよいよ頭脳明晰になるばかりだ。

「ハハア、竹童のやつめ、鷲の背なかで旅をした味をしめて、なにか心にたくらみおるな。よしよし明日はひとつなにかでこらしておいてやろう」

いながらにして百里の先をも見とおす果心居士の遠知の術、となりの部屋に寝ている竹童のはらを読むぐらいなことはなんでもない。

とも知らず、夜が明けるか明けないうちに、亀の子のようにムックリ寝床から首をもたげだした竹童、