Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
もう焼餅を食べつくし、腹はいっぱいになったが、まさか寝ることもできず、半助はいつまでも顔を見せないし、遊ぶところはなし、文句のやり場のないところから、ひとりでブツブツこぼしている。
「いやンなっちゃうな。どうしたんだい、あの人は、向田ノ城へいったら、なんでも好きなものはやるの、うまいものは食いほうだいだのッて、いっておいてよ、ちぇッくそ! ばかにしてやがら、うそつき! 菊池半助の大うそつき!」
腹いせにわめいていると、ふいに、そこへ半助がはいってきたので、さすがの蛾次郎も、これにはすこし間が悪かったとみえて作り笑いをした。
「蛾次郎、さだめしたいくつであったろう」
「ううん、そんなでもなかったよ、だけれど、菊池さんはいままでいったいどこへいってたのさ」
「その方をりっぱな侍に取り立ててやりたいと、城主周防守さまとそうだんしてまいったのだ。どうだ蛾次郎、きさまもはやくりっぱな侍になり、堂々と馬にのったり、多くの家来をかかえて、こんなお城に住んでみたくはないか」
「うふふふふふ、おれをその侍にしてくれるのかい」
蛾次郎は、目をほそくしてうれしがった。
「きっとしてやる。