Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「こらッ、あやしい小僧!」

「うごくなッ」

とばかり、竹童の両腕とってねじふせた。竹童はまったくの不意打ち、なにを叫ぶ間もなく、跳ねかえそうとしたが、はやくも、甲虫の短刀が、ギラリと目先へきて、

「うごくと命がないぞ、しずかにせい、しずかにせい」

「な、な、なにをするんだい!」

「なにもくそもあるものか、きさまこそ、餓鬼のぶんざいで、この松明をなんにつかう気だ、文句はあとで聞いてやるから、とにかく天子ヶ岳のふもとまでこい」

「や、ではきさまたちは徳川方の斥候だな」

「おお、亀井武蔵守の手の者だ」

「ちぇッ、そう聞きゃおいらにも覚悟がある」

「生意気なッ」

たちまち、大人ふたりと、竹童との、乱闘がはじまった。

こいつ、体はちいさいが、一すじなわではいかないぞ――とみた甲虫は、やにわに短槍をおっ取って、閃々と突いて突いて、突きまくってくる。

あわや、竹童あやうし――と見えたせつなである。にわかに、大地をめくり返すような一陣の突風! と同時に、パッと翼をひろげた金瞳の黒鷲は、ひとりを片つばさではねとばし、あなよというまに、あとのひとりの肩先へとび乗って、銀の爪をいかり立ッて、かれの顔を、ばりッとかいて宙天へつるしあげた。