Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
竹童の故智にならって、乗りすてた鷲を、とある森のなかにかくし、じぶんはれいの、あけび巻の山刀をひねくりまわして、意気ようようと城下隠密組の黒屋敷、菊池半助の住居をたずねあててきた。
「おねがい申します」
反りかえって立ちはだかった玄関口。
猪口才にも、もっともらしい顔をして、取次ぎの小侍に申しいれることには、
「まかりでました者は、富士の裾野の住人鼻かけ卜斎の弟子鏃師の蛾次郎と申す者、ご主人半助さまに、至急お目にかかりとうぞんじます」
取ってかえしに、奥からでてきたのは、菊池家の家来とみえて、いかさまがんじょうな三河武士、横柄に頭の上から見くだして、
「フーム、おまえか、泣き虫の蛾次公というのは?」
「はて心得ぬ」
蛾次郎、口をとンがらかして、すこぶる威厳を傷つけられたように、憤然と、
「鍛冶にかけては鏃鍛ちの名人、石をなげては百発百中の早技をもつわたくし。しかも、半助さまのおたのみにより、命がけで稀代の大鷲を連れてまいりましたのに、近ごろ無礼なごあいさつ。よけいなことをいわないで、さッさとご主人にお取次ぎあれ」
胸に慢心のいっぱいな蛾次郎、天狗の面をかぶったように、鼻たかだかと大見得をきった。