Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
小幡民部がはせつける。たちまちにして、陣々の大そうどう、大将伊那丸も幕をはらってそれへきたが、閣上の呂宋兵衛は、いちはやく屋根の上へとびうつり、九輪の根もとに身をかがめてしまったので、遠矢を射かけるすべもない。
「あれあれ、呂宋兵衛は幻術に長けた曲者、どう逃げようもしれませぬ、みなさま、はやくお手配をしてくださりませ」
と、うろたえまわる軍兵のなかにまじって、しきりに叫んでいるのは咲耶子の声らしい。十数人の軍兵は同時に、施無畏寺へ塔の梯子を取りに走りだした。
それを待つのももどかしいと思ったか、れいによっておくれをとらぬ木隠龍太郎、ばらばらと多宝塔の裾にかけよったかと見るまに、一階の欄干にひらりと立って、えいッとさけんだ気合いもろとも、千本廂の瓔珞にとびついた。
「オオ、やったり、木隠!」
と、こなたの一同は、その機智に感嘆の声をあげたが瓔珞の飾り座金がくさっていたとみえて、龍太郎の体がつりさがるとともに、金鈴青銅の金物といっしょにかれの五体は、ドーンと大地におちてしまった。
「ウーム、無念」
ふたたび立ってよじのぼるくふうをしていると、朱柄の槍をひっさげた小文治。