Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「しまった!」

伊那丸以下の者、でる声は、ただこのたんそくばかりであった。

なかにひとり竹童のみは、陣屋をかけだして、

「おお、クロだクロだ、おいらのクロだ」

空にむかって叫びながら、追えどもおよばぬ大鷲の行方へ無我夢中で走りだした。

二

さて、おどろいたのは、蛾次郎である。

多宝塔のてッぺんを通りすぎたとたんに、ヘンなやつがじぶんの腰へとびついたと思ったが、なにしろ、鷲の走っているあいだはふり向くこともできず、話しかけることもできない。

目の下に、クルクルまわる山や峠や町や村をいくつも見て、およそ小半日も飛んだころ、やっと青々とした海辺におりた。

「アア、お腹がペコペコだ。これで命も無事だったし、なにか食べ物にもありつけるだろう……」

すぐにキョロキョロ見まわして、漁師の干しておいた小魚を見つけ、それを火にあぶりもせず、引ッ裂いて食べはじめた。

食べながら波打ちぎわを見ると、黒の蛮衣をきた大男が、小手をかざして、しきりに地理をあんじている。

「あッ、あの男だナ、おれの腰に取っついてきた蠅のようなやつは」

蛾次郎、干魚をムシャムシャ噛みながら、そばへ寄ってみると、裾野で見かけたことのある呂宋兵衛なので、二どびっくりという顔で、