Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
まい」
「ウーム……」
勝家も愚将ではない、ましてや分別もじゅうぶんな年ごろ。理のとうぜんに、やり場のない怒気が、うめきとなって口からもれる。
「いちおうの理がある、しかし……」
とやや落ちついて、
「来春を待つとして、ほかになんぞ、よい策があるか」
と極めつけた。
「ござります――それは裾野よりご帰参の上部どのが、一月あまりお屋敷にこもって、苦心のすえ作戦された、秀吉袋攻めの奇陣、必勝の布陣、軍旅の用意にいたるまで、お書付としてご家老徳山どのへお渡しになっております」
「そんなものがあったか。伊那丸を味方につけ、甲駿へ根を張らんとしてながらくでていた八風斎、それが不首尾で、帰参後も、めッたに顔をみせぬと思うていたら、すでに、秀吉袋攻めの奇陣を策しておったのか、どれ、一見いたそう」
と、勝家はことごとくきげんをなおして、徳山則秀の取りだした書類や図面に目をとおし、また時折にはなにか小声でヒソヒソと密謀をささやいていた。
するとこの夜陰、おくの曲輪にあたって、にわかにジャラン! ……と妖異な鐘のひびきがゆすりわたった。
「なんじゃ」
折もおりなので、一同おもわず、ガバと顔をはねあげる。