Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
か? あの手が? 呂宋兵衛はぼうぜんとして二の句がでない。
「こりゃ、そちは幻術をやるだろうが、諜者はから下手じゃの。さぐりにかけては、まだそこにいる男のほうがはるかにうまい」
と、可児才蔵を顎でさした。
「才蔵、びっくりしておるわ、種をあかしてやれ」
「はッ、呂宋兵衛どの」
と、こんどは才蔵があとをうけた。
「先日はまことに失礼つかまつった」
「や! ではあの時、うしろから手をだされたのは?」
「貴公よりまえに、北庄城へさぐりにはいっていた拙者でござる。また、橡ノ木峠でごあいさつして通ったのもすなわち拙者で」
「ははあ……」といったまま、呂宋兵衛も蚕婆も、すっかり毒気をぬかれたていで、いままで喋々とならべたてた吹聴が、いっそう器量を悪くした。
三
と、そのとき、羽柴の荒旗本、脇坂甚内、平野三十郎、加藤虎之助の三人、バラバラと幕屋の裾にあらわれて一大事を報告した。
しかも、ふしぎな事件である。
いま、ふいにこの陣屋へ徳川家の武士五人がおとずれてきた、というのである。五人の頭は、徳川家のうちでも、音にきこえた菊池半助。
その半助のいうには、武田勝頼、ほかふたりの従者がすみぞめの衣に網代笠を目ぶかにかぶり、ひそかに、東海道からこの京都へはいったので追跡してきたが、ついに、この洛中で見うしなったゆえ、羽柴どののご手勢でからめ