Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
と丹羽昌仙、じッとうつむいてかんがえていたが、なにか思いあたったらしく、丁と膝をうって、
「たしかにそういござるまい!」
と断言した。
「どうしてそれがわかるのだ」
「そのわけは、菊亭家と、武田の祖先とは、縁戚のあいだがら。のみならず、勝頼の祖父信虎とは、ことに親密であったよしを、耳にいたしました。さすれば、いま天下に身のおきどころのない、落人が、そこをたよってくるのは、まことに自然だとかんがえます」
「なるほど、ウム……さてはそうか!」
と呂宋兵衛は、昌仙の説をきいて、それこそ、落人勝頼の化身にちがいなかろうと、大きく一つうなずいた。
で、すぐに、それを召しとる方法を議しはじめたが、昌仙にも名案がなくなかなかそうだんがまとまらない。なぜかといえば、菊亭右大臣ともある堂上の館へ、うかつに手を入れれば、後日朝廷から、どんなおとがめがあるかもしれないから――これは秀吉じしんの手をもってしても、めったなことはできないのであろう。
といっても、あのやかましい秀吉から、その捕縛をいいつけられている呂宋兵衛は、なんとしても、勝頼を秀吉の面前へ拉致していかなければ、たちまち、かれの信用が失墜することになる。