Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
「なんだいあいつは? 気ちがいじゃねえのかな、みょうに、ふるえた声をだしやがって……アレ見や、むちゅうになって手を合わせている、ア、泣いていやがら……ばかだなあ、泣くなよ兄弟」
と、うっかり声をすべらしかけたが、待て、もうすこし、見ていてやろうと息をころした。
盲のすがたは一心不乱に、掌をあわせ、八神殿の神々に念じていた。
信仰に熱してくると、おのずから手がふるえ、声もわれ知らず高くなって、
「この目のいたみをおなおしくださいませ! 八神殿の八つの神さま、おいらにはどうしても、さがしたいものがあるのです。クロという鷲をたずねだしたいのです。そして、伊那丸さまのおんために、もっともっと、大きな手柄を立てなければなりません。こんなところにもぐっていると、お師匠さまに叱られます。盲のすがたを見られたら、一味の人たちにも恥ずかしゅうございます。なおしてください。八神殿の神々さま、その大望をとげましたら、わたしの腰にさしている般若丸を、きッと奉納いたします」
血汐も吐かんばかりである。
一念の声、一念のいのり! 祈らなくても、人の誠は天地をうごかすという……。