Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
と、つとめて、伊那丸の勇気を鼓舞するため、ふたりが快活に話していると、あなたの林をへだてた闇にあたって、ドボーン! とすさまじい水音がたった。
「や、あれは……?」
「雷神の滝のあたり、まさしくその滝壺になにかあやしいもの音がいたしたようす」
「それ、あらためてみよう」
というと、木隠龍太郎は、手ばやく、用意の松明を焚火に突っこんで燃えうつし、それをふりかざしてまっさきに走りだした。
木々のあいだを縫っていく、松明のあかい光について伊那丸も忍剣も滝壺のほとりへ向かって歩をはやめる。
たちまち見る、眼前の銀河、ドウッ――と噴霧を白くたてて、宙天の闇から滝壺へそそいでいる。
「龍太郎、龍太郎!」
伊那丸は雑木をわけて、まっ暗な淵をのぞきながら指さした。
「そこへ松明をふってみい」
「はッ」
「あぶない! 岩苔にすべるなよ」
「おあんじなさいますな」
と龍太郎、松明を左手にもって、ヒラリ、ヒラリ、と岩から岩へとびうつっていった。
二
漆の渦まくを見るようなものすごい闇の滝壺である。そこに、百千の水龍が、泡をかみ霧をのぞんで躍っている。
「おお、人がおぼれているぞ」
さけんだのは、加賀見忍剣。