Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
ともあれ竹童を先にやって、天ヶ丘のようすを、しかと見とどけさせましょう」
「ウム、そしてわれわれは、寒松院の松並木に待ち伏せているか」
「それが、上策とかんがえまする」
「竹童」
「はい」
「心得たか」
「たしかにうけたまわりました」
「では、これを――」
と龍太郎が、狼煙筒を、竹童の手へわたして、
「呂宋兵衛をはじめ天ヶ丘の者どもが、山をくだって、寒松院の並木へかかるころを見はからい、この狼煙をうちあげてくれい。時ならぬ狼煙の音におびやかされて、きゃつらは、かならずうろたえるにちがいない」
「その虚につけ入って、呂宋兵衛の一族をけちらし、勝頼公のお駕籠をうばいとる、ご計略でございますか」
「そうじゃ。機をあやまらぬようにいたせ」
「かしこまりました。ではみなさま――」
般若丸をさしなおして、伊那丸に一礼すると、もうヒラリと岩の上から飛びおりていた。そして、バラバラと舟岡山をかけおりていく彼のすがたを見送っていると、たちまち、崖をこえ、雷神の滝の流れをとび、やがて森から紫野のはてへ霞んでしまった。
そのはやいことはやいこと、まるで鹿のようである。もっとも、あのけわしい鞍馬の谷や細道になれきッている竹童だ。