Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「おお、ありゃクロだ! 竹童がたずねている大鷲だ」

禅杖をあげて忍剣が高くさけぶと、龍太郎と伊那丸も目をみはって、

「うむ! まさしくクロにそういない。寒松院の並木へのろしの音はきこえてきたが、竹童はあのまま帰らぬ。もしや鷲に乗って、追いついてきたのではあるまいか」

「そういえばだれか乗っているようす、――や、竹童だ!」

「なに竹童が乗っている。オオ、竹童――竹童ッ――」

とふたりが、声をあげて大空に呼んだが、鷲はひくく樹木のさきへふれるばかりにおりてきて、また、ツーッとあらぬ方角へそれてしまう。と、龍太郎が、なにを見いだしたかおどろきの声をはずませて、

「や、ふしぎな! あの鷲には、竹童ばかりでなく、ほかの童子も乗っている。たしかにふたりの人間が乗っている」

「龍太郎どのの目にもそう見えたか、わしもそう思ってふしぎに感じていたのだ。アレアレ、こんどは湖水のほうへいっさんにかけりだした――」

瞳をこらして見ていれば、さっさつたる怪影は、関の山から竹生島のあたりへかけて、ゆうゆうと翼をのばして舞うのであった。その鷲の背にありとみえた両童子こそ、まぎれもあらず、南蛮寺の丘からムシャブリついて飛びあがった、鞍馬の竹童――泣き虫の蛾次郎。