Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

なにかの危険にであっているにちがいない。

「ああ、だれかに、ご安否をたずねてみたいが、めったなものに、そんなことをきけば、みずから人のうたがいを招くようなものだし……」

こう思いながら、鞍馬の竹童は、野末にうすづく夕陽をあびて、見わたすかぎり渺茫とした曠野の夕ぐれをトボトボと歩いていた。

ここは、どこの野辺ともわからないが、いま渡ってきた川の瀬には、都田川という杭が立っていた。

なお、はるかにあなたの野のはてには、一抹、霞のように白い河原がみえる。あとは、西をあおいでも、北を見ても、うっすらした山脈のうねりが黙思しているのみだ。

微風もない晩春の夕ぐれ、――ありやなしの霞をすかして、夕陽の光が金色にかがやいている。いちめんの草にも、霞にも、竹童の肩にも――。

するとやがて、耀々とした夕がすみのなかから、あまたの青竹と杉丸太をつんだ車が、ガラガラと竹童のそばを通りぬけた。そのあとについて、八、九人の足軽と十数名の人夫たちが、斧や、鉞や、木槌などをかついで、なにかザワザワと話しながら歩いてゆく。

すれちがった時に、なんの気もなく竹童がふりかえると、一ばんさいごについてゆく足軽が、一本の立て札をかついでいる。