Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「何代もまえから、甲府のご城下にすんでおりました。父は森右兵衛といって、お館の足軽でした。ところが、運わるく、長篠の合戦のおりに、父の右兵衛がとらわれたので、わたくしも、心ならず徳川家に降っていましたが、ささいなあやまちから、父は斬罪になってしまったのです。わたくしにとっては、怨みこそあれ、もう奉公する気のない浜松城をすてて、一日もはやく、故郷の甲府にかえりたいと思っているまに、武田家は、織田徳川のためにほろぼされ、いるも敵地、かえるも敵地というはめになってしまいました。ところへ、ゆうべ、伊那丸さまがつかまってきたという城内のうわさです。びっくりして、お家の不運をなげいていました。けれど、今宵のさわぎには、てっきりお逃げあそばすであろうと、水門のかげへ筏をしのばして、お待ちもうしていたのです」

「ああ、天の助けだ。子之吉ともうす者、心からお礼をいいます」

と、伊那丸は、この至誠な若者を、いやしい足軽の子とさげすんではみられなかった。いくどか、頭をさげて礼をくり返した。そのまに、筏はどんと岸についた。

「さ、おあがりなさいませ」と子之吉は、葦の根をしっかり持って、筏を食いよせながらいった。