Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
地蔵行者の変った旅
一
と思うとその半数は、どこかへこつぜんと見えなくなった。
「それッ」
「どこまでも追い撃ちをかけろ」
渓流を越えて追撃してきたのは、伊部熊蔵と雁六をせんとうにした一隊である。
みな、谷川で火縄を濡らしてしまったので、鉄砲をすてて大刀をぬく。槍を持った者は石突きをついてポンポンと石から石へ飛んであるく。こういう場合は、南蛮渡来の新鋭な武器もかえって便がわるい。
道案内は地学家の鼻かけ卜斎、その腰についてあるくものは天下の泣き虫蛾次郎である。
蛾次郎はすばらしくこうふんしてしまった。司馬仲達を追ッかけまわす孔明のごとき高き気概。なんだか、自分ひとりの威勢のために、咲耶子の胡蝶の陣が逃げくずれてゆくような気持がして――。
すると、不意に――
峡の細道から三、四人、芋虫のように渓谷へころげ落ちた。あッ……と仰ぐと、天を摩す楢の木のてッぺんから、氷雨! ピラピラピラ羽白の細矢がとんでくる。
梢の葉がくれ、楢に花が咲いたように、半弓を持った少女が十二、三人ほど見えた。
タジタジとあとへひいた熊蔵の一隊、槍をそろえ、白刃をかこんで、下りるところを待ちかまえたが一陣、楢の梢が暴風のようにゆすぶれたかと思うと、落花? 胡蝶? 否、それよりも軽快に、彼女たちのすがたは枝から枝へとびうつり、つぎの樹からつぎの樹へ、そしてついに思わ