Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
と。
その群集のなかに立って、かれの挙動を凝視しているふたりの浪人――深編笠に眉をかくした者の半身すがたがまじって見えた。
なにか、ささやき、なにか、微笑し合っている。
するとまた、そのうしろにかくれていた六部の指が、前のさむらいの背なかを軽くついて、ふりかえった顔となにかひそひそ話しているようす。
にわかごしらえの水独楽まわしの太夫、いでや、独楽をまわそうとしてはでな口上をいったはいいが、ひょいと人輪のなかの浪人と六部のすがたを見て、
「あッ! ……」
そういったきり足をすくませ、水独楽にあらぬ眼の玉を、グルリとさきにまわしてしまった。
諏訪神さまの禁厭灸
一
さて、いよいよ本芸にとりかかったところで、どうしたのか蛾次郎太夫、ふと妙なことが気にかかっていたせいか、いつもあざやかにやる水独楽虹渡りの曲まわしを、その日は、三どもやりそこなって、首尾よくドッという嘲笑を、大道の見物人からあびてしまった。
通力のある神伝の魔独楽。
「こんなはずはないぞ。こんなはずはないぞ」
と、蛾次郎はドギマギしながら、いくども口上をやりなおして、独楽を空に投げあげたが、水を降らせるどころか、廻りもしないで、石のように曲もなくボカーンと自分の頭の上へ落ちてくるばかりだ。