Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
馬糧小屋にだって屋根はある。そんなに星が見えるという法はない。事実、よくよく目をあらためてみるとそれは星に似て星の光ではなく、屋根うらの隙間や節穴が、あかるい空の光線をすかして、星のように見えたのであった。
だが? ……蛾次郎はジッと息を殺しはじめた。
星どころじゃない、節穴どころの沙汰じゃアない。変なやつがいる! へんな人間が屋根うらの梁に、取ッついている!
闇に馴れた蛾次郎のひとみには、ようようそこの屋根うらが、怪獣のような黒木の梁に架けまわされてあるのが薄っすらわかった。あやしげな一個の人間は、蛾次郎がここへ入ったとき、上へ身を避けていたものであろう。今になって知れば、馬糧小屋の天井の梁につかまって、ジッと、身動きもしないでいる。
その足もとから落ちた土。……どうりで、ここへ寝ころんだ時、イヤに、麦藁の寝床があたたかであり過ぎた。
「だが、誰だろう?」
すこし気味がわるくなった。
城内の者ならば、なにも、好んであんなところにひそんでいる必要はあるまい。第一、なんだかその影も大人なみの人間にしてはすこし小さい。
「ははあ」
思い当ったものがある。