Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

一方で怒号がきこえた。

将棋だおしにやぶれた剣道方。

その溜り場の幕が嵐のようにゆれて、なにか、渦になった人間がもめている。

「待てッ。――可児才蔵まてッ」

制止する目付役をふりもぎって、とつぜん、かれのうしろ姿を追いかけた慓悍なる男があった。――これ祇園藤次だった。

すわ!

遺恨試合!

「待てまてッ! 才蔵ッ、もう一勝負」

藤次は吉岡流小太刀の使い手。

右手に白みがきの栴檀刀を引ッさげていた。

自分の控え場まで帰って、いま、幕の裾に手をかけようとしていた才蔵、

「よし!」

いうが早いか、槍を持ちなおして、敢然と試合場のほうへ帰ってきたが、まだ礼もすまないうちに血気ばしった祇園藤次が、颯然とおどりかかった。

立合いの奉行と目付が、なにか、制止するような声をかけたが、騎虎、耳にも入らばこそ。

「ひきょう、作法を知らぬか!」

と、しかりつけて、サッと槍を手もとに吸う。

藤次はギクッとして、胸板を守った。

小太刀、ピッタリと青眼の不動体に。

だが、一閃! かまえは割れて祇園藤次、タジタジッとあとへさがった。それを、食いつめてゆく才蔵の足の拇指。

それは真槍だ。