Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
神馬草薙と早足の男
一
の連中までが、総立ちになって、裏手へまわってきそうな気ぶり。
「これはいかん」忍剣は、早くも執着をすてて、
「またいいおりもあろうというもの、ここで、きょうの試合をめちゃめちゃにしては、咲耶子を無難に取り返すことができなくなろう」
と、分別した。
で、ひらりともとの場所へかえってくるなり、そこにたおれている竹童をこわきに抱いた。
竹童はいちじの昏倒で、
「あッ、忍剣さま」
すぐに、目をひらいて、かれのたくましい腕のなかに自由になった。
おのれの居場所に馳けもどってきてみると、一方そこでも、なにやら問題がおこっている最中である。
総奉行の大久保長安と、検証の鐘巻一火が自身できて、なにかしきりと高声で弁じているのだ。
いま、いきなり飛びこんではまずいと思ったので、忍剣がそッとようすをきいていると、
「いや、ただいまの遠矢は、あくまで蔦之助が勝ったものと信じます。鐘巻どのも一流の火術家でありながら、あの的先にお眼が届かぬとは心ぼそいしだいでもあり、また、検証の床几につかれながら、徳川家へ勝ち名のりをあげられたのは早計しごくかとかんがえます」
これは、山県蔦之助自身と、木隠と巽とが、一しょになって主張していることばの要点だった。