Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
「おっと、そうはいっても、まだまだやっと勝負はこれで半分みち。あの額の縁に刺さッている矢を抜きとって、もとの試合場まで帰り着かねえうちは、まだほんとに勝ったものとはいえない」
つぶやきながら、大鳥居の上を見あげた。
それへよじのぼる気か、燕作が、ペタと蝉のように丸木の鳥居へ取ッついたが、待てよ、とすこし考えて――。
「こいつあ損だ、わりに合わねえ」
と不意にべつの矢をさがしはじめた。
上の額縁に刺さっている矢は、さいぜん、徳川家の射手加賀爪伝内がはなした遠矢で、かれも徳川方のひとりである以上、とうぜんその矢をぬいて、持ちかえるのがほんとなのだが、この登りにくい鳥居にかじりついてすべったり落ちたりしているよりは、どこか、そこらに落ちている山県蔦之助の矢をひろっていったほうが、時間においてはるかに得策だと、あいかわらずずるい考えを起したものなのである。
で、鳥居をくぐって、およそな見当のところをしきりにさがしはじめたが、さあこの矢のほうにも一難がある。
加賀爪の矢は的の中心にこそあたらなかったが、その額の縁へ適中したので、あのとおりあからさまに鳥居の上にとまっているが、的を射そんじた蔦之助の矢のほうは、それをそれたわけなので、どこまですッ飛んでしまったか、その距離と方角にいたっては燕作にもちょっと想像がつかない