Japanische Klassiker mit Furigana
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
Lesen Sie 虎の牙/透明怪人 (とらのきば) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 193.761 Zeichen · 388 Bildschirme
例のコウモリの黒マントが、風にヒラヒラとはためいて、天空の魔人というような、ものおそろしい姿です。
明智探偵は五分間ほど、腕をくんで、つっ立ったまま、じっと塔の屋根を見つめています。まわりの警官たちは、明智がおそろしいほど、だまりこんでいるので、やはりおなじように、つっ立ったまま、塔上の怪人と明智の顔とを見くらべています。
「この探偵さんは、何を考えているんだろう。怪人があんな高いところへ、あがってしまったので、どうすることもできなくて、こまっているんじゃないかしら。」と、いうような顔つきです。
すると、いままで銅像のように身うごきもしなかった明智が、ヒョイと、そばにいる警部補のほうを、ふりむきました。そして、
「この近くに猟銃を持っている人はいないでしょうか。一つさがして、借りだしてくれませんか。」とたずねました。警部補はビックリしたような顔をして、
「猟銃なら、近くにわたしの知っている猟銃家がいますが、しかし、猟銃でなにをしようと言うのですか。」
「ともかく、大いそぎで、それを借りてください。たまもいっしょにですよ。けっして、あなたのごめいわくになるようなことは、しません。